邂逅と輪廻

No.1-30

周りを見てごらん。僕らしか存在しないから。

私が世界に嫌われているなんて、そんなことずっと前から知ってたわ。

君の笑顔があまりにも眩し過ぎて、僕は目を逸らすことしかできなかったんだ。

貴方は親切のつもりでも、傍から見たらそれは偽善にしかならないのよ。

同じ人間なのに、こんなに恐怖したのはきみが初めてで。

それは君の創りだした幻影で、僕はそれを追いかけていた。

僕らの先に広がるのは、溢れんばかりの殺気と狂気。

君のその影のさした笑顔に、僕はただ俯くことしかできなくて。

僕だけが汚れるなんて許さない。皆、みんな、ミンナ、壊れちまえ。

『大丈夫』なんて、子供でも吐ける一番簡単な嘘の言葉。



日常に生じた僅かな歪み、僕らは誰も気付かない。

気付いた時には修復不可能で、嘆くことしかできなかった。

こんなに堕ちた私を見て、それでも貴方は綺麗と言うの?

どうせ堕ちるなら最奥まで。もう堕ちることの無いように。

貴方のその優しさは、私に後悔と自責を与えるのみで。

僕はまだ、常識的だと信じていたいだけだった。

転がり始めた君の想いを、僕は止めることができなかった。

絶望の先に広がるのは、今まで以上の幸福。

こんなに長くかかるなんて、思いもしなかった。

貴方に出会えて、私は少しだけ良い方に変われたみたいです。



最後に笑った君を見て、僕はかなわないと思った。

貴方を傷付けるものは、僕が壊して差し上げましょう。

戦争の英雄は、ただの無差別連続殺人犯でしかないと言えるのか。

雨に濡れた窓からは歪んだ風景しか見えない。

すくってもすくっても零れ落ちる砂のような。

君と出会えたこの奇跡に感謝します。

貴方と過ごす一瞬一瞬は、幸せ以外の何物でもなかった。

生きててよかったって、心の底からそう思えた。

雨に濡れた君の姿は、悲しくて、淋しくて、儚くて、愛しくて、美しかった。

思わず漏らした本音に、僕の世界は壊れ始めた。



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