邂逅と輪廻

No.421-450

少しの想いをかき集めて嘘で固めた恋だった。

なにも感じないのだと知ったのはあの日から。

自分の鼓動に耳をすませて生きていることを喜ぶのだ。

ぐちゃぐちゃになりすぎたこの気持ちを受け取ってください。

みんなの笑顔が好きだった。それだけなのに、なぜ。

信じてくれない君を見て、恋の恐ろしさに気づいたよ。

人間じゃなかったら、僕らは幸せになれたのかな。

愛しているのは君で、楽になれるのは彼で、楽しくなれるのは彼女。

何度やり直しても失う怖さをあなたは知らないだろうから。

みんなで笑い合ったあの日。僕らの、最後の夜。



変わっていく時間のなかで乾いてしまった涙。

目を背けずに向き合ったのに、どうしてこうなるのかな。

くらくらと景色が回り、白がはじけた。

ぼんやりとした水中で見つけた希望の光。

口から出たのは音にすらならない空気の塊だった。

運命なんで信じない。私は自分で選んだのだから。

それですら決まっていたのだと、薄ら笑いを浮かべた君。

場違いな笑い声はチャイムの音に沈んだ。

否定の言葉はいらない。ただ肯定すればいいんだよ。

ただただ安全で確実で安心できる繋がりがほしかった。



緑色した猫の瞳に映った緑色した僕の姿。

毛布にくるまって冬眠したいと思った夏休み。

好きとか嫌いとか、そんなシンプルじゃない醜い欲望の話。

あなたのことが大好きだったと嘘をついた。

人のなかにいれば埋もれてつぶれてしまうと思っていたのに。

こんなに恵まれたたくさんの優しさを忘れないで。

苦しいくらいに求めていたものはただの情だった。

自分が自分でさえなければ、君の隣に立てたのだろうか。

足して引いて掛けて割って、それでもみんなの感情がわからないんだ。

片想い同士の想いはすれ違って海を越えた。



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