邂逅と輪廻

No.451-480

結局僕らはひとりぼっちのまま心に爆弾を抱えて生きていくのだ。

観察したところで人間なんて理解できないものだよ。

繋いだ手を振りほどこうともがいて君を失った。

僕が僕でなければ君は壊れたりしなかった。

踵をならしてアピールしても何にも気付いてくれない雨の日。

高いところから身を乗り出して、全身で感じる恐怖に笑顔した。

無くしてしまえば初めからなかったように振る舞えた。

ほぅ、と感嘆めいた溜め息をこぼして歩き出した。

見ず知らずの他人からの祝福を受け取れるほど、図太い神経はしてないんだよ。

淡々と、淡々と、紡いだ言葉に音程とリズムをつけて吐き出すだけの僕ら。



大切なものからひとつだけ選ぶ怖さを僕はまだ知らなかったから。

守りたいと願えば願うほど、それは私の破滅にしかならなくて。

お願いですから、すべてを過去形で語らせてください。

鬼ごっこが下手なくせに逃げるなんて君は馬鹿だよ。

もし貴方が目の前で死んでも、私はあとを追わないわ。ただただ泣き続けるだけよ。

ふわりと微笑んだその表情に、まだ見ぬあの子に届けと願うのだ。

二度と開くことのない目蓋に初めてのキスを捧げましょう。

どうか、久しぶりの再会をお楽しみください。

さぁ、私たちの恋人ごっこを始めましょう。

君の周りだけは息がしやすい気がしたから。



みんなで楽しい鬼ごっこ。鬼は私以外の全員、だけどね。

一歩進んで手をつなぎ、三歩進んでキスをして、十歩進んでさようなら。

手紙を読まずに食べてしまう程度には、貴方のことが好きよ。

落下していくそれと目があった気がした。

少しずつ少しずつ、何かが壊れて、私が壊れた。

すれ違った君が笑っていた。それだけで僕は、幸せなんだ。

真っ赤に染まった景色のなかで、泣いていたのは私か君か。

いつでもどこでも無邪気に笑う。それが私の存在意義よ。

その真っ直ぐで歪な心を忘れないでください。

皆の涙を瓶に集めて、貴方にプレゼントしてあげるから。



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