No.541-570
誰もあなたのことなんて気にしてないのよ。誰一人として、ね。愛する彼を裏切ってでも、貴方のことは守るから。
君の隣で息がしやすいのは紛れもない事実で、それでも事実でしかなかったんだ。
もうめんどくさいからあんたのことを嫌いになろうと思うんだ。
雨から霰へそして雪へ。その後に君は来てくれるのだろうかと。
もしもぼくがいなかったら、みんなしあわせでいられたの?
安堵と劣等感と恐怖と不安と安心感でぐちゃぐちゃになって。
綺麗事で片付けられるほど私はいい人なんかじゃないから。
右手に携帯、左手にナイフ、そして目の前にあなたの部屋。
私が君を捨てたとして、それで私が恨まれるなんておかしいじゃない。
右から3番目の部屋の左手にあるタンスの一番上の引き出しにソレが入ってるから。
夢なら覚めろと願って消えた夢に縋り付いて泣き出した現実。
ふんわりふわりと笑って、彼女は僕の隣に居た。
あと10秒だと告げられても、私の口から音が漏れることはなかった。
引き金を引いても何も変わらない。だってそれは幻だから。
現実と夢が分からなくなって、真実と嘘が混じって、私と君の区別が消えた。
追いつきたくて求めた背中に触れた途端に、嘲笑。
かけ間違えたボタン一つで世界は崩壊してしまうんだ。
冷たい手を暖かい手で包み込んで、どっちもぬるくなったね、と。
おやすみなさいと呟いた声に、居ないはずの声が答えた気がした。
人形とお米と包丁と塩水と、あと必要なのはあなたの髪の毛?
タンゴもワルツもダメだけど、それでも良ければこの手を取って。
私の右手とあなたの左手に結ばれたのは何色の糸?
笑え笑えと誰かが言って、踊れ踊れと何かが言った。
バックミラーに一瞬見えた影は、きっともう見ることはないから。
僕らの日常は君たちの非日常だから、もう何も気にしないでいいんだよ。
屋上の上で笑いあいながらお弁当を食べるような青春に憧れた、昔の話。
必死に傘を差したところで、涙で濡れ続けるんだよ。
彼らをそう呼び始めた誰かのことを、私は一生許さない。
身分ってのはどうしてもまとわりついて離れないんだよ。